3. 斎場御嶽(せーふぁーうたき) | 太平洋戦争の足跡と平和への祈り
斎場御嶽(せーふぁうたき)は、琉球開闢(かいびゃく)七御嶽のひとつで、東御廻り(あがりうまーい)の巡礼の中で最高の聖地として重要な役割を果たします。斎場御嶽はこの儀式の中で巡礼者が訪れる聖地の一つで、特に聞得大君(きこえおおきみ)の就任式である「御新下り(おあらおり)」の儀式がここで行われます。
斎場御嶽は、2000年にユネスコの世界遺産リストに「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として登録されました。この遺産群には、斎場御嶽の他にも首里城や中城城など、琉球王国時代の重要な建造物や遺跡が含まれています。
斎場御嶽のなかには「砲弾池」と呼ばれる池があります。これは、沖縄戦の艦砲射撃によって残された戦争遺跡の一つです。沖縄戦では「鉄の暴風」と形容されるほどの砲弾が撃ち込まれ、終戦直後、沖縄本島内の至るところに砲弾でできた穴が残っていました。穴の大半は埋められて残っていないため、沖縄戦の様子を伝える戦争遺跡として保存されています。
斎場御嶽がある知念地区一帯は、アメリカ軍の激しい艦砲射撃を受け、多くの砲弾が落ちました。沖縄戦によって数々の傷跡が残されたままになっていましたが、1994年から修復工事が始まり、2000年に世界遺産に登録されました。 斎場御嶽内の「ウローカー」と呼ばれる拝所にも、米軍の沖縄上陸のための防衛として建設された砲台跡が残っています。
斎場御嶽は観光地としても多くの人々に訪れられています。 神聖な雰囲気が漂う御嶽や、周囲には自然豊かな緑も広がっており、多くの観光客を魅了しています。 伝統的な琉球の文化や歴史を感じることができる、沖縄の魅力を象徴する場所です。