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チビチリガマ | 太平洋戦争の足跡と平和への祈り

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【チビチリガマの概要】

チビチリガマは、沖縄県読谷村にある自然洞窟です。1945年、沖縄戦が激化し、米軍が上陸する中で村民140名以上がこのガマに避難しました。当時の「捕虜は恥」といった戦時教育や混乱の中、83名が命を落とすという悲しい出来事が起こりました。現在は慰霊碑が建てられ、静かに手を合わせる場として、また戦争の記憶と平和の大切さを伝える学びの場として、多くの人々に守られ続けています。

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【チビチリガマという名前に込められた意味】

チビチリガマの「チビチリ」は、沖縄方言で「チビ(尻)」「チリ(切る)」を意味し、もともとは“谷川の流れが切れてどこへ続くかわからない”という地形を指しています。ガマ(洞窟)が谷底にあり、その近くを流れる川が途中で途切れる様子から名付けられたとされています 。 名前には、自然地形の特徴がそのまま込められており、「命が止まる場所」としての象徴的な響きを持つとも受け取れます。そのため、戦争という極限状態とも自然に重なり、一層強い印象をもたらす歴史的・文化的名称です。

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【沖縄戦を象徴する歴史的な戦跡】

チビチリガマは、沖縄戦における「住民犠牲の象徴」として広く知られる戦跡です。戦場となった沖縄では、軍と住民の境界があいまいとなり、一般の人々までもが戦争に巻き込まれました。チビチリガマは、そうした中で起きた極限状態の人々の選択と、戦時下の思想や教育の影響を今に伝える場所です。 この地には、「なぜ命が失われたのか」「戦争とは何か」といった問いが深く刻まれており、戦争の本質を考えるうえで非常に重要な存在です。

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【自然と記憶が息づく「感じる戦跡」チビチリガマ】

チビチリガマは、鍾乳石や岩肌がそのまま残る自然洞窟で、戦後もほとんど手を加えずに大切に保存されてきました。 外から見るだけであっても、暗闇の中でひっそりと避難生活を送っていた人々の姿を想像し、命を守ろうとした必死の思いに思いを寄せることができます。灯りも風も届かない空間で交わされた言葉、交錯した不安や祈りは、今もこの地に静かに息づいています。 整備された展示ではなく、ありのままの自然と記憶が共存するこの場所だからこそ、戦争の痕跡を「見る」のではなく「感じる」ことの意味に気づかされます。

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【慰霊碑とモニュメントに込められた祈りと誓い】

チビチリガマの入り口付近には、静かに手を合わせるための慰霊碑が建てられています。この慰霊碑は、戦争によって犠牲になったすべての命に祈りを捧げ、同じ悲劇を二度と繰り返さないという誓いを込めて設置されたものです。 周囲には「母子像」や「祈りの像」など、いくつかのモニュメントも設置されています。母子像は、子どもをしっかりと抱きしめる母の姿を通して、戦争がどれだけ多くの家族の暮らしや命を奪ったかを物語ります。 見学の際は、モニュメントのひとつひとつに込められた意味に思いを寄せながら、ゆっくりと心を向けてみてください。

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【戦争の痕跡が残る「生きた証人」としての空間】

チビチリガマの内部には、避難生活の痕跡とされる炊事跡や壺のかけら、衣類の一部などが今も静かに残されています。照明も空調もない自然のままの暗闇に、岩肌や湿った空気とともに当時の記憶がひっそりと息づいています。 人工的に整えられた展示ではなく、実際の場所に身を置くことで、戦争の痕跡を「見る」のではなく「感じる」ことができます。自然と共に記憶をとどめるこの空間は、過去を語りかける「生きた証人」として、今を生きる私たちに静かに問いを投げかけています。

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【平和を学ぶ「現場」としてのチビチリガマ】

チビチリガマは、沖縄戦の悲劇を「その場所で学ぶ」ことができる貴重な平和学習の場として、多くの学校や教育機関に活用されています。現在は洞窟内への立ち入りはできませんが、入口に立つことで当時の空気を感じ取り、想像力を通じて命の尊さと平和の大切さに向き合うことができます。 地元では「語り部」と呼ばれる戦争体験者や案内人によるガイド活動も行われており、当時の暮らしや避難の状況、人々の想いなどを、丁寧に語り継いでいます。修学旅行などで訪れた生徒たちは、現場に身を置くことで教科書だけでは伝わらない「戦争の現実」に触れ、自ら考え、感じる学びを深めています。

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【命の記憶が刻まれた地が問いかけるもの】

チビチリガマは、戦争の中で多くの命が失われた場所です。暗闇の中で交錯した不安や苦しみ、そして静かに消えていった命の重さが、今もこの地に深く刻まれています。 近くには、避難生活を経て命をつないだ「シムクガマ」も存在し、同じ戦争の中で異なる選択と運命があったことを伝えています。 それぞれの場所が語りかけるものに耳を傾けることは、平和とは何かを私たちに問い直すきっかけになります。 この地に立ち、過去を見つめ、静かに想いを寄せるその時間が、争いのない未来を築く小さな一歩となることを、心から願っています。

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【アクセス情報】

【車】 那覇空港から国道58号を北上し、読谷村「伊良皆」の信号(約60分)を左折。 県道6号線を進み「大当(うふどー)」信号から細道へ入り、約500 m進むと赤瓦のトイレが見える広場に到着。 【バス】 那覇バスターミナルや沖縄市から「28番/62番」路線を利用し、読谷村「大当」バス停で下車。 バス停から徒歩約15分で到着します。

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