琉球王国は15世紀半ばから始まり、約450年にわたって首里城を中心に繁栄しました。 アジアや日本の影響を受けつつも、独自の文化や信仰を持ち、現在でも城跡や建築様式を通じて、歴史的背景や人々の知恵に触れることができます。これらの 建造物は「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として、2000年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
「琉球王国のグスク及び関連遺産群」は、首里城跡を含む5つの城跡と4つの関連遺跡で構成されています。首里城跡、今帰仁城跡、座喜味城跡、勝連城跡、中城城跡の5つのグスク(城跡)と、斎場御嶽、識名園、園比屋武御嶽石門、玉陵の4つの関連遺跡です。 これらの世界遺産は琉球王国の歴史と文化を象徴し、今も訪れる人々に琉球の魅力を伝えています。
琉球の世界遺産・グスク巡りは、その場所に立ち入るだけで、神聖な空気に包まれるのを感じ、パワーを貰えることでしょう。5つのグスクはすべて高台にあるので、絶景が望めるのも魅力です。城壁は、珊瑚石灰岩により造営され、美しい曲面を多用しているのが特徴です。グスクの歴史的背景や登場人物に触れることで、さらにその旅を楽しくしてくれるでしょう。
世界遺産を1日で巡ることは難しいため、2日以上に分けて巡ることがお勧めです! 主に北部~中部(今帰仁城跡、座喜味城跡、勝連城跡、中城城跡)と、首里を起点に南部を巡るコースに分け、世界遺産周辺の観光スポットと組み合わせることで、より充実した観光ができます。
琉球のグスク群の歴史的登場人物やエピソードは、今帰仁城跡の猛将攀安知、忠臣護佐丸の中城城跡、最後の英雄阿麻和利の勝連城跡など幾つもあります。また、これらの世界遺産でいろいろなイベントが開催されており、イベントや歴史的人物に焦点を当てた巡り方をする事で、琉球のグスク群をより楽しむことができるでしょう。
関連スポットリスト
1. 首里城
一 首里城は、琉球王国の象徴で、1429年に尚巴志が統一権力を確立し成立。海洋王国として栄え、外交・貿易を通じて発展しました。1469年には政権交代があり、第二尚氏王統が約400年続きました。首里城はその中心で、18世紀以降の様式で復元され、2000年に世界遺産に登録されました。
2. 識名園
一 識名園は「識名の御殿」と呼ばれ、また首里城の南に広がることから「南苑」としても知られています。 この庭園の建設は、琉球の第二尚氏王朝、尚穆(在位・1752年 - 1795年)の時代に始まり、完成は尚温の時代の1799年になります。 当初は中国皇帝からの使者である冊封使をもてなすための迎賓館として使用されていました。
3. 勝連城跡
一 沖縄県うるま市に位置する勝連城(かつれんぐすく・かつれんじょう)は、阿麻和利の城として知られるグスク(御城)の城趾です。城は勝連半島の南の付け根に位置する丘陵に築かれ、南城、中間の内、北城で構成されています。
4. 今帰仁城跡
一 今帰仁城跡は、沖縄本島の北部、本部半島に位置する歴史的な遺跡で、琉球王国時代の面影を今に伝える存在です。この城跡はグスクと呼ばれる伝統的な建築物で、その歴史は13世紀まで遡ります。城は堅固な石垣で囲まれ、標高約100メートルに位置しており、やんばるの地を守るために築かれました。
5. 玉陵
一 琉球王国、第二尚氏王統の歴代国王が眠る陵墓、玉陵(たまうどぅん)。 沖縄県那覇市首里金城町に位置し、元々は第3代尚真王によって築かれたもので、沖縄県最大の破風墓として知られています。 以下にその概要と歴史的背景を紹介します。
6. 座喜味城跡
一 1420年頃、三山時代の戦乱の中で、琉球王国統一後の国の安定に尽力した名将護佐丸によって座喜味城が築かれました。初めは山田グスクに居城していましたが、北山城攻略の際、地の利を生かした戦略的な位置である座喜味の高台に、城を構築しました。
7. 中城城跡
一 中城城(なかぐすくじょう)は石灰岩丘陵に広がり、南東には切り立った断崖、北西には勾配の傾斜面が広がります。そのため、城内へは東北と南西の丘陵尾根沿いに限られ、守りやすく攻めにくい地に築かれています。城は6つの郭から成り、自然の岩石と地形的条件を巧みに生かした美しい曲線の琉球石灰岩城壁が特徴です。
8. 斎場御嶽(せーふぁーうたき)
一 斎場御嶽は、琉球王朝時代から続く歴史と文化が息づく神聖な場所です。この場所は、琉球王室や神職たちが王国の繁栄や平和、五穀豊穣などを神に祈願する聖域となっており、琉球王国の中で最も格の高い「御嶽(うたき)」として、琉球王朝時代の重要な一翼を担ってきました。
9. 園比屋武御嶽(そのひゃんうたき)
一 東御廻りの旅が始まる際、最初に訪れるのが園比屋武御嶽(そのひゃんうたき)です。この神聖な場所は、古代から国家行事や祭祀と深く結びついており、琉球王国の国王や聞得大君(きこえおおきみ)が旅の安全を祈願し、出発する場所として知られています。