6. 座喜味城跡 | 沖縄の世界遺産を巡る旅
1420年頃、三山時代の戦乱の中で、琉球王国統一後の国の安定に尽力した名将護佐丸によって座喜味城が築かれました。初めは山田グスクに居城していましたが、北山城攻略の際、地の利を生かした戦略的な位置である座喜味の高台に、城を構築しました。
城壁は空から見ると、複数の曲線が組み合わさり、まるで現代のアーチ式ダムのような構造を持っています。座喜味城跡のアーチ石門の特徴や石材の選定、積み方などから、当時の築城技術の高さが窺えます。特にくさび石を用いたアーチ石門は他のグスクには見られない独自の特徴です。
1945年の沖縄戦では日本軍の高射砲陣地として使用され、沖縄がアメリカに占領されてからは米軍のレーダー基地が設置されました。その後、1956年に琉球政府によって重要文化財に指定され、1972年には国指定史跡に。1973年から1985年にかけての発掘調査や城壁修理により、再び座喜味城が蘇りつつあります。
座喜味城は、標高120m以上の丘陵地にあり、その最も高いところからは読谷村全体を一望できます。城は国王に対抗する勢力を監視する目的で建設され、琉球王国の統一後には国の安定に貢献した要塞の城でした。
2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一部として世界遺産に登録されました。小規模ながらもその城壁や門の精巧さは沖縄の城のなかで一際優れています。琉球王国、沖縄戦など、沖縄の歴史における節目に重要な役割を果たしてきた座喜味城は、世界に誇るべき貴重な史跡となっています。