5. 玉陵 | 沖縄の世界遺産を巡る旅
琉球王国、第二尚氏王統の歴代国王が眠る陵墓、玉陵(たまうどぅん)。 沖縄県那覇市首里金城町に位置し、元々は第3代尚真王によって築かれたもので、沖縄県最大の破風墓として知られています。 以下にその概要と歴史的背景を紹介します。
玉陵は中室、東室、西室の3つの建築物に分かれ、中室では葬儀後の特異な葬制が行われました。 洗骨前の遺骸が安置され、数年後に骨を取り出して洗骨が行われ、その後、王と王妃の骨は東室に、他の王族の骨は西室に納められました。 墓域は外庭と中庭に仕切られ、中庭には珊瑚の破片が敷き詰められています。
第二次世界大戦末期には、玉陵は首里城とともに激しい砲撃に晒され、大きな被害を受けました。 戦後、修復工事が行われ、現在見られる大部分は再建されたものです。 また、近くには戦争犠牲者を追悼する「一中健児の塔」も建立されました。
1992年に尚裕によって那覇市に寄贈され、2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されました。 全体が国の史跡であり、一部が国宝(建造物)、石彫獅子と玉陵碑が県の有形文化財(彫刻)に指定されています。
玉陵内には被葬者としての資格を示す碑文があり、歴代王や王妃が葬られています。 碑文には尚真王の長男・次男の名が見られないことから、王室内に勢力の対立があったのではと言われています。