2. 旧海軍壕 | 太平洋戦争の足跡と平和への祈り
沖縄は本土防衛の最後の拠点として、日本で唯一住民を巻き込んだ地上戦が行われた場所です。「海軍司令部基地」として構築されたこの壕は、激しい戦闘の末、日本海軍が終焉を迎えた場所で、司令官室、作戦室などが当時のまま残されている貴重な施設となっています。
旧海軍司令部壕の建設は極秘事項とされ、1944年から1945年にかけて地下深くに築かれました。 約3,000人の将兵が昼夜5ヶ月間かけて手掘りで掘った跡や、手榴弾で自決した弾痕跡、司令長官が壁に書き残した文字など当時の戦場の悲惨さがうかがえます。
島々を取り巻く激しい戦況の中で、司令部はここで指揮を執り、戦略を練りました。 壕は歴史的な出来事の舞台であり、地下壕での将兵の厳しい生活状況を垣間見ることができます。当時の遺留品の展示や戦争の歴史を学ぶ「平和資料館」や沖縄県民によって建立された「慰霊之塔」から、改めて戦争の愚かさと平和のありがたさが実感できます。
戦後、この壕はしばらく放置されていましたが、1970年に観光開発事業団によって司令官室を中心に300mが復元されました。 現在では、沖縄から世界に向けた平和を発信する戦跡公園として整備され、交流や憩いの場として親しまれています。
事前予約をすれば、平和ガイドの説明を交えながら慰霊之塔や資料館、壕内を周ることが可能です。 旧海軍司令壕の存在は、沖縄が抱える歴史的背景を理解し、戦争の悲惨さを伝える重要な場所となっています。