古謝そば屋 | 沖縄そば
古謝そば 概要
宮古島に息づく、昭和7年創業の伝統の味。宮古空港から車でおよそ10分。赤瓦の屋根が目を引く「古謝そば屋」は90年以上にわたり島の人々に愛され続けてきた宮古そばの老舗です。地元の常連客はもちろん、島をおとづれる観光客も必ず立ち寄りたいと口をそろえる宮古島のソウルフードを味わえる一軒。「飾らない、変わらない、だからどこか懐かしい」時代が変わっても守り続けてきた味わいを感じられます。
90年以上受け継がれる、伝統と再生のストーリー
古謝そば屋の歴史は、昭和7年古謝将功が宮古島平良市で手打ちそばの食堂を始めたことに遡ります。時は木灰の上澄み液と塩、小麦粉を混ぜ合わせて手打ちで麺を作り、一杯一杯丁寧に仕上げていました。しかし、第二次世界大戦で宮古島も激戦地となり、一家は台湾への疎開を余儀なくされ、そば屋も閉店。戦後、昭和21年に宮古島に戻ると、家も焼失し、そばの機械も軍を介して売り払われていました。 そうした絶望の中で、人手に渡っていたそばの機械を買い取り譲ってくれた友人のおかげでそば屋を再開することができました。 様々な工夫を加えながら宮古島の人々の暮らしに寄り添ってきました。 現在は手打ちの面影を残しながら衛生面の整った工場で製麺を行い、伝統の味を大切にした安全で美味しいそばを提供しています。幾度もの困難を乗り越えて受け継がれた一杯には多くの想いと努力が実っているのです。
豚骨×鰹節×昆布が奏でる、澄み切った黄金出汁
宮古そばの命とも言えるのが透き通った黄金色のスープ。古謝そば屋のスープは豚骨ベースに鰹節と昆布を加えて丁寧に出汁をとった、昔ながらの製法で作られています。器を覗くとまず目を引くにが澄み切った透明感。しかし見た目のあっさりした印象とは裏腹に、一口啜ればしっかりと旨みが感じられます。 鰹出汁のさっぱりとした風味が前面に立ちながらも豚骨のコクと昆布の深みが後ろで支える。その絶妙なバランスが古謝そば屋のスープの持ち味です。脂っこさは控えめで飲み進めても重くならない軽やかさがあり、気づけば最後の一滴まで飲み干してしまう優しい味わい。この澄んだスープが宮古そばを沖縄本島とも異なる独特の存在にしているのです。
もっちりコシのある、やや太めのストレート麺
古謝そば屋のもう一つのこだわりが、併設の古謝製麺所で作られている自家製製麺。宮古そばの特徴である平打ちのストレート面はやや太めでしっかりとした存在感があります。「もっちり」「がっしりとした歯応え」と好評なこの麺は、噛み締めるともちもちした食感の中にも小麦の風味がふわりと広がります。 透き通ったスープとの相性も抜群で、腰のある面がスープの馬もをしっかりとまとい、口に運ぶたびにスープと麺が一体となった味わいを楽しめます。もちろん、、コーレーグースとの相性も抜群でピリッとした刺激を加え味の変化を楽しむこともできます。
木の温もりと光が織りなす、居心地のよい空間
店内に一歩足を踏み入れると、木の香りと柔らかな光に包まれます。おしゃれで落ち着いた雰囲気で、カフェのような心地よさと、どこか懐かしい温かみが共存する空間は、「ついつい長居してしまうような『なんとなく』居心地がよい場所」として設計されています。窓に面したカウンター席からは、沖縄ならではの草花が植えられた庭を眺めることができ、一人でも気軽にゆっくりと食事を楽しめます。テーブル席や、ご家族やご年配の方もゆったりとくつろげるお座敷も用意されており、30席ほどの規模ながら、訪れる人それぞれに合わせた居場所が見つかります。 木のテーブルに置かれたそばを前に、ゆっくりと息をつく。窓の外の緑を眺めながら、麺をすすり、スープを飲む。そんな何気ない時間が、古謝そば屋では特別なひとときに変わっていきます。
南国の草花に囲まれた、赤瓦の佇まい
木の香りが心地よく、郷愁を誘う昔懐かしい赤瓦の屋根が、宮古島の青い空によく映える古謝そば屋は、辿り着いた瞬間から「懐かしさ」を感じさせます。庭に植えられた南国の植物たち。バナナ、グアバ、福木、クロトン、ハイビスカス、ブーゲンビリア、ジャスミン、シークワーサーなど、色とりどりの草花や果実が元気に育っています。 食事を終えたあと、のんびりと庭を散策するお客さんの姿もよく見られ、島ならではの季節の花や果実が、そばを味わう体験をさらに豊かなものにしてくれます。
宮古そばならではの魅力と、古謝そば屋だけの味
宮古そばは、沖縄本島の沖縄そばとは異なる独自の進化を遂げてきた麺料理です。沖縄本島のそばが太めの縮れ麺と濃厚なスープで知られるのに対し、宮古そばは細めでストレートな麺と、透き通った黄金色のスープで上品な味わいを追求してきました。古謝そば屋の「古謝そば」は、ソーキ、ロース肉、かまぼこ、ほうれん草、もずく、ねぎと、具材のバランスにもこだわった一杯。特に、宮古島の特産品であるもずくがトッピングされているのは、島の恵みを一杯の中で味わえる嬉しい工夫です。他にも、軟骨まで柔らかく煮込んだソーキそば、コラーゲンたっぷりのてびちそば、沖縄の珍味・中身(豚の内臓)を使ったなかみそばなど、伝統的なメニューが揃います。 そして何より、古謝そば屋ならではの90年以上受け継がれてきた「変わらないための努力と工夫の歴史」が詰まった一杯の重み。守るべきものを決して変えない。その思いが器の中のスープと麺、具材に宿っています。
おきめぐりでの楽しみ方
おきめぐりで宮古島エリアを巡るなら、古謝そば屋は外せないスポットです。宮古空港からも近く、最初の一杯」を味わうにも、帰る前に「最後の一杯」を楽しむにも最適。宮古島の景勝地をめぐり、古謝そば屋で宮古そばを味わう。、「見る・感じる・食べる」がひと続きの物語になります。食後は、店の庭で南国の植物を眺めながら少し休憩したり、近隣の平良市街地を散策したり。古謝そば屋で味わった透明なスープの余韻を感じながら、宮古島ならではの青い海と白い砂浜、色鮮やかな植物たちと向き合うと、丼の中の一杯と島の風景が、ふと重なって見えてくるはずです。 昭和7年から受け継がれる伝統の味は、宮古島の人々の暮らしや歴史、そして島を愛する心が詰まった一杯。旅の思い出として、また宮古島という場所を深く知るための入口として、古謝そば屋の宮古そばは、あなたの「おきめぐり」に特別な色を添えてくれることでしょう。